1. TOP
  2. ソーシャルリスニング コラム
  3. ソーシャルリスニング 分析方法
  4. 3C分析とは?化粧品メーカーを事例に、ソーシャルリスニングを活用した3C分析の方法をご紹介

コラム

3C分析とは?化粧品メーカーを事例に、ソーシャルリスニングを活用した3C分析の方法をご紹介

3C分析とは?化粧品メーカーを事例に、ソーシャルリスニングを活用した3C分析の方法をご紹介

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合他社)の3つの「C」を分析するフレームワークのことです。3C分析をおこなうことで、自社の強み・弱みだけでなく、他社と差別化できるポイントを知ることができます。

この3C分析の視点をソーシャルリスニングでも活用することで、自社の強みや弱み、サービスへの反響を相対評価で把握することが可能です。

本コラムでは特に、ソーシャルリスニングを活用した3C分析の具体的な方法と事例をご紹介します。

【目次】

  1. 3C分析とは?

  2. 化粧品メーカーを事例に3C分析してみる

  3. まとめ

3C分析とは?

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合他社)の3つの「C」を分析するフレームワークのことです。元マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長で、現ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前 研一氏が考案しました。

3C分析をおこなう目的は、「自社の強み・弱みを理解し、他社との差別化ポイントを知ること。そして、より良い意思決定やアクションへつなげること」です。このことを前提に、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合他社)、3つの視点から分析の範囲や対象を決めて分析を行うことがポイントです。

Customer(市場・顧客)

市場分析で把握すべき代表的な項目は以下の4点です。

  • 業界の市場規模
  • 市場の成長性
  • 顧客ニーズ
  • 顧客の消費行動・購買行動

Competitor(競合他社) 

競合他社分析で把握すべき代表的な項目は以下の4点です。

  • 競合の特定
  • 競合のビジネス結果そのもの
  • 競合のビジネス結果を出したリソース
  • リソースが結果を出した仕組み

Company(自社)

自社で把握すべき代表的な項目は以下の3点です。

  • 自社の経営理念・戦略
  • 自社の強みと弱み、提供できる価値
  • 既存ビジネスの特徴、強み、弱み


また、上記の3C分析で把握すべき項目から、ソーシャルリスニングで実施できる内容を整理すると以下の図のようになります。

3C分析とソーシャルリスニングの分析項目


化粧品メーカーを事例に3C分析してみる

では、実際にソーシャルリスニングを活用した3C分析をご紹介します。

ここでは、化粧品メーカーを例にします。

まず、この化粧品メーカーのブランド担当者の方は、「自社商品の販売量を増やしたい。顧客となりえるターゲットや、販売機会に繋がる季節イベント、商品の訴求ポイントを見つけ、販売施策のヒントをソーシャルメディア上の情報から見つけ出したい」と考えているとします。

このような目的で3C分析をおこなう際、何をどういった順番で分析すれば良いか、悩ましいと思います。

筆者の場合ですが、①自社→②市場・顧客→③競合→④自社という順に分析することをおすすめしています。

自社の経営資源(人・物・金・情報・技術など)をまず分析し、その時点の主観で構わないので、各資源の強み・弱みを整理します。最初に自社の整理を行っておかないと、ターゲットとする市場や競合を定義できず、分析の視点が散漫になってしまうためです。

①自社:自社の経営資源を整理する

3C分析の流れ「①自社→②市場・顧客→③競合→④自社」にあてはめて分析をおこなっていきます。

はじめに、自社の経営資源を整理します。この時点では主観で構いませんので、自社の強みとしているものは何か、他社と差別化できるポイントはどこか考えてみましょう。

今回、自社の特徴として、「パッケージにこだわっており、華やかさがある」ことから「プレゼントシーンでのニーズが高いのではないか」という仮説を立てました。

そして、商品のイメ―ジとして、【縦軸:かっこいい、かわいい】 【横軸:素朴、洗練】で競合製品との整理をしました。

自社の強みの整理


そこから、ソーシャルリスニングを活用した3C分析をおこなっていきます。

今回の分析では、特にクチコミ量が多く、ユーザーの本音があらわれやすいTwitterにメディアを絞って分析をおこないました。

②市場・顧客:「プレゼント」「お祝い」に関する投稿数を調査する

市場・顧客の分析として自社商品のニーズが高いと仮説立てした「プレゼント」や「お祝い」に関するクチコミの動向を調査します。

Twitter上で「プレゼント」や「お祝い」に関する投稿数を調査してみると、直近3年間増加傾向にあることがわかりました。

「プレゼント」「お祝い」に関する投稿数が増えているということは、「プレゼント」や「お祝い」がユーザー同士の話題にあがる機会が増えているということであり、今後その需要が伸びてくることが予想されます

※「Twitter上のツイート数の増加によって商品の販売実績が伸びる」ということが横浜国立大学の鶴見教授の研究結果によってわかっています。鶴見教授の論文マーケティング゙におけるSNS上の テキスト・データ活用の可能性と限界参照。

Twitterで「プレゼント」「お祝い」という言葉が含まれた投稿件数 

ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ
分析期間:2018年4月1日~2021年3月31日


③競合:競合の「プレゼント」「お祝い」に関する投稿数を調査する

競合分析として、「ベンチマークしているブランド名」と「プレゼント」「お祝い」が含まれている投稿数を調査します。

3年間の競合他社分析をしてみると、競合他社も徐々にアップトレンドになっていることがわかりました。

Twitterで「他社名」×「プレゼント」「お祝い」という言葉が含まれた投稿件数

ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ
分析期間:2018年4月1日~2021年3月31日


④自社:自社の「プレゼント」「お祝い」に関する投稿数を調査する

競合分析と同様に、「自社ブランド名」と「プレゼント」「お祝い」が含まれている投稿数を調査します。
3年間の自社分析をすると、徐々に減少していることが判明しました。

Twitterで「自社」×「プレゼント」「お祝い」という言葉が含まれた投稿件数


ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ
分析期間:2018年4月1日~2021年3月31日

分析結果より、市場・競合他社についてはプレゼント文脈での投稿は増加傾向にもかかわらず、自社ブランドは、減少傾向にあることがわかりました。

以上のことからプレゼントに適している華やかなパッケージという強みが訴求できていない、プレゼントのニーズを取りこぼしている可能性が高く、贈り物をするシーンで自社製品を想起してもらうような施策やプレゼント文脈でのイメージ訴求が必要なのではないか、という新たな仮設をたてました。

次の分析では、立てた新しい仮説をもとに深堀り調査をおこないました。

キーワードから深堀り調査をする

商品の特徴として訴求できると思っていたプレゼントシーンではクチコミ数が減少していたという事実から、自社のプレゼント需要での強みを探るため、また、生活者が抱く自社への価値を深堀りして分析をおこないましょう。

調査項目は、以下の3点です。

【深堀りして調査する項目】

  1. 自社商品の中でプレゼントでの主力商品
  2. プレゼントを贈る・もらうシーン
  3. プレゼントの受け手


A. 自社商品の中でプレゼントでの主力商品

 まずは、自社商品の中でのプレゼントの主力商品の分析です。
自社商品のクチコミの中から、どの商品がプレゼントに関連するクチコミが多いのか分析しました。

プレゼント文脈で言及されていた自社の主力商品調査(年次比較)


ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ
分析期間:2018年4月1日~2021年3月31日

「バスボム」のクチコミが3年連続で最も多い結果となりました。次いで、「石鹸」、「マスク」の順になっていることがわかりました。


B. プレゼントを贈る、もらうシーン

 次に、自社・競合他社のプレゼントを贈る・もらうシーンを分析しました。

自社がプレゼント文脈で言及されていたシーンの調査(年次比較)
unnamed.png

競合他社がプレゼント文脈で言及されていたシーンの調査(年次比較)
unnamed (1).png

ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ 
分析期間:2018年4月1日~2021年3月31日
 


自社商品のプレゼントを贈る・もらうシーンは、誕生日がもっとも多い結果となり、直近1年では、ホワイトデーのプレゼント需要がランクインしていました。

次に、競合他社の分析をしたところ、3社とも誕生日でのクチコミが最も多く、次いでクリスマス、母の日、という結果になりました。
自社商品のプレゼントシーンの特徴としては、ホワイトデーとの関連、つまり「男性から女性に贈る」傾向が他社と比べて強いことが発見できました。

C. プレゼントを贈る対象

 最後にプレゼントを贈っている対象について分析しました。


自社商品をプレゼントとして贈る対象に関する調査(年次比較)
unnamed (2).png

ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ 
分析期間:2018年4月1日~2021年3月31日
 
競合他社の商品をプレゼントとして贈る対象に関する調査(年次比較)
unnamed (3).png


自社の傾向としては、直近1年は自分へのプレゼントとしての割合が増加していました。競合3社についても自分の割合が高くなっており、化粧品のプレゼントは自分へのご褒美という印象が強いことが窺えました。
また、自社商品の場合、会社関係(後輩、先輩等)の割合が年々増加しており、他社は低い割合であったことを考えると、会社関係での贈り物に使える商品群を増やすといった販売戦略も検討できそうでした。

自社商品のプレゼント文脈でのクチコミの傾向をまとめると、

  • プレゼントの主力商品はバスボム
  • プレゼントを贈る・もらうシーンは誕生日プレゼントが最も多く、ホワイトデーでのニーズが高まっている
  • プレゼントの受け手は自分へのご褒美が多く、会社関係での贈り物も伸びしろがある
ということが判明しました。


まとめ

今回は、化粧品メーカーを事例として、自社の強み弱み、他社との差別化できるポイントを分析しました。

ソーシャルリスニングを活用して3C分析をおこなうことで、自社と自社を取り巻く外的要因の整理ができ、ブランディングや販売戦略の仮説検証に役立ちます。

これまで、3C分析を行ったことのない企業様はもちろん、3C分析は行ったことがあってもクチコミを活用した3C分析には取り組んだことがないという方も、この機会にぜひ、「ソーシャルリスニング×3C分析」の組み合わせにトライしてみてください!
 


Boom Research 概要資料

ソーシャルリスニングツール「Boom Research」の概要資料です。調べたいキーワードを入力するだけで、 そのキーワードが ソーシャルメディア上で 「どれだけ」「どのように」「なぜ」 クチコミされているのかが瞬時に把握できます。

 

お問い合わせ

ソーシャルリスニングやツールに関するご不明点は、
お気軽にお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

03-6260-6628

(平日9:00-16:00)

1週間の無料トライアル実施中!