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コラム

ソーシャルリスニングの分析手法 「購買プロセス分析」をご紹介します!

ソーシャルリスニングの分析手法 「購買プロセス分析」をご紹介します!

今回は、生活者が商品を認知してから購入後の推奨行動を行うまでのプロセス毎のクチコミを、ソーシャルリスニングで浮き彫りにする「購買プロセス分析」をご紹介します。
※「購買プロセス分析」は弊社の造語です。

「購買プロセス分析」は、購買プロセス毎のクチコミ内容から、顧客の購買行動や感情の変化を掴み、購買プロセスにおけるマーケティング施策の課題を発見するのに役立ちます。

本コラムでは「購買プロセス分析」の具体的な方法を、事例をふまえながらご紹介します。また、分析にはソーシャルリスニングツールBoom Research(ブームリサーチ)を使用しました。

 

【目次】

  1. 購買プロセスとは?

  2. 他社商品と比較して課題や強みを発見しましょう!

  3. まとめ

購買プロセスとは

「購買プロセス」とは、顧客が商品やサービスを認知してから購入、そして購買後の推奨行動をおこなうまでの段階をあらわしたもので、以下の図のように「認知」から「推奨」までの7つの段階に分けることができます。

購買プロセス

同様の考え方で、「マーケティングファネル」があります。マーケティングファネルで代表的なものは、「AIDMA(アイドマ)」や「AISAS(アイサス)」モデルとも言われ、顧客が商品やサービスを認知し、購入するまでの段階をあらわしたものです。

発生したクチコミをこの購買プロセスの段階毎に分類して分析することで、顧客にどれだけ認知してもらえたか、や購買意欲や購買行動をどれだけ喚起できたか、を検証することが可能です。

商品やサービスによって、7つの段階を明確に線引きすることが難しい場合もあるので、分析する対象で段階を調整する場合もあります。

また、分析対象とするソーシャルメディアは、話題量が多いTwitterがおすすめです。

新製品発売リリース後の「Galaxy S21 5G」を分析

今回は2021年1月15日に新製品発売のリリースがされた「Galaxy S21 5G」についての分析をご紹介します。

分析期間は2020年12月1日から2021年5月31日の半年間とし、下記の5つの段階にクチコミを分けて分析を行いました。分析対象メディアはTwitterとしました。

購買プロセス分析は、「商品名」に「各段階で使用される言葉」をかけ合わせて各段階のクチコミを収集・分析します。

例えば、「比較検討」段階のクチコミの分析をおこなう場合、商品名を表す「Galaxy s21」などの言葉と、「比較、スペック、レビュー、どちらを…」といったユーザーが比較検討をおこなう際にツイートすると予想される言葉の両方を含むクチコミを収集して分析します。

分析した結果、期間中Galaxy S21 5Gに関するツイートは約3万件発生していました。その中で購買プロセスの各段階に該当したツイートは、18,910件でした。

こちらは、購買プロセス毎のツイート件数を示したグラフです。

購買プロセス毎のツイート数の変化

ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ
分析期間:2020年12月1日~2021年5月31日

製品発売がリリースされた2021年1月15日のツイート数を見ると、大きな話題になっていたことがわかりました。

リリース後、スペックの比較や購入の意思決定をするツイートが発生していて、発売前から新製品に対するユーザーの期待の高さが窺えました。

また、「興味」「比較検討」の話題もリリース後に増加していました。特に1月26日~2月2日に話題量が増加し、旧モデルや他社モデルとのスペックの比較や機能についても多く言及されていました。「購入」に関してはいち早く発売された「香港版」の使用レビューなどが話題になっていました。

製品発売リリースがされた日のGalaxy公式の投稿はこちらです。

 
リリース後は機能やスペックについての言及も以下のように確認できました。


Galaxy S21 Ultraの香港版とiPhone12miniを比較したレビューをしている方もいらっしゃいました。


また、2021年4月8日にも大きな話題をよんでいたことがわかりました。この日は、国内では4月22日にドコモとKDDIから発売がスタートすると発表があった日です。発表と同時に、予約も開始されました。


同日、Galaxyのアンバサダーである韓国の人気グループ「BTS」をGalaxy S21 Ultra 5Gで撮影したイメージ動画とスナップショットが、「Galaxy Mobile Japan」の公式ソーシャルメディアアカウントで公開されたことが話題となっていました。


この時、「認知」に加え、「購入」を表すツイートも伸びているのが特徴的です。

そして、2021年4月22日の発売日当日には購入を表すツイートが最も伸びていました。早速購入してツイートした方もいらっしゃいました!

分析期間を通して購買プロセス毎のツイート数を比べてみると、「認知」>「興味」>「購入」>「比較検討」>「利用・推奨」の順に、徐々に減っていることがわかりました。前述した「購買プロセス」の図のように、左から右へ購買の段階が進むごとに減少していくことがGalaxy S21 5Gの分析でもみられました。

       購買プロセス毎のツイート数の比較

ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ
分析期間:2020年12月1日~2021年5月31日

以上、Galaxy s21の分析例でした。

ユーザーの良質なクチコミは新しい顧客を生み出すことにつながります。そのため、クチコミを購買プロセス毎に分類し、主に以下の1〜3の観点で効果測定を行い、マーケティング施策を検討されることをおすすめします。

購買プロセス毎のクチコミ分析のポイント

    1. 「認知」で話題の醸成ができているかどうか
    2. 「興味」「比較検討」で購入に対してのポジティブな文脈が生まれているか、またはどんな視点で比較検討をしているのか
    3. 「購入」「利用・推奨」で利用者はどのような評価をしているのか

他社商品と比較して課題や強みを発見しましょう!

購買プロセス分析はベンチマークしている他社製品との比較にも活用できます。

以前調べた事例で、ミラーレスカメラの新製品発表が同時期に2社あり、それぞれで分析をおこなった結果をご紹介します。

ミラーレスカメラの新製品発表をしたA社とB社では、A社のほうが「認知」フェーズでクチコミを多く獲得していましたが、「比較検討」や「購入」ではB社のほうが多い結果となりました。

B社の「比較検討」や「購入」に言及したツイートの内容を調べると、B社の製品の購入を決めたという著名なフォトグラファーの投稿や、人気YouTuberが比較レビューを行いB社の製品を推奨していたことが影響していそうだとわかりました。

A社とB社で新商品のプロモーション予算や、マーケティング手法に違いがあるのが前提ですが、購入前にしっかり比較検討されることの多いカメラという商品特性を踏まえると、専門家の意見や購買に直結する温度感の高いツイートをどれだけ生むことができたか、という視点でのソーシャルリスニングはマーケティング効果を測定する有意義なアプローチ方法といえます。

各購買プロセスでの言及ユーザー数 A社

ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ
分析期間:2020年6月29日~2020年8月10日

各購買プロセスでの言及ユーザー数 B社

ソーシャルリスニングツールブームリサーチ調べ
分析期間:2020年6月29日~2020年8月10日

まとめ

マーケティングコミュニケーションをおこなう目的は、ユーザーの行動や感情を変化させることです。この目的が果たせているかどうか、果たせているならどれくらいできているのかを知りたいという方も多いのではないでしょうか?

そういった方に購買プロセス分析はおすすめの分析です。

購買プロセス分析を活用することで、各購買プロセスにおいて顧客がどのような関心や興味を抱いているのかを可視化することができます。

また、以下のような示唆を得ることができます。

      • 購買プロセスごとのマーケティング施策のヒント
      • 施策のKPI設定への活用や購買までのボトルネックの発見
      • ユーザーの言及に影響を与えた要因 

少し高度な分析に思われるかもしれません。やってみたい方はこちらまでお気軽にご相談下さい! 貴社の製品やサービスに適したファネルのカテゴリーやクチコミを収集する際のかけ合わせに用いる言葉などをご提案させていただきます。
 


      Boom Research 概要資料

      ソーシャルリスニングツール「Boom Research」の概要資料です。調べたいキーワードを入力するだけで、 そのキーワードが ソーシャルメディア上で 「どれだけ」「どのように」「なぜ」 クチコミされているのかが瞬時に把握できます。

 

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